機械部品加工・製造の⽣産性を上げる⾃動希釈装置ガイド
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希釈・希釈装置の必要性

ダイカストにおける
希釈・希釈装置の必要性

ダイカスト製造において、金型から製品を取り出しやすくするために離型剤が使用され、製品の品質や効率に大きく影響します。離型剤の効果を最大限に引き出すためには、離型剤を適切に希釈することが必要です。この記事ではダイカストにおける離型剤希釈装置の概要やメリットについてまとめました。

離型剤希釈装置の基本構造

離型剤希釈装置は、離型剤の原液を希釈してダイカストマシンへと供給するものです。

希釈された液体はホースを通してダイカストマシンへ届けられます。混合比率は装置によって異なります。

希釈装置の利点

ダイカスト製造では、成形品を金型から取り出すときに破損を防ぐために離型剤が欠かせませんが、離型剤の原液には油分が多く含まれているため水で希釈しなければいけません。ここでは、希釈装置を使うメリットを3つ紹介します。

品質の安定化

希釈率にばらつきがあると、製品に着色が出でたり、製品の型離れが悪く歪んだ製品ができるおそれがあります。

離型剤希釈装置を使うと、適切な希釈率が維持でき、製品品質の安定化につながります。自動車や部品メーカーからは、品質管理の一環で離型剤の希釈率提出が求められていることもあります。

コスト削減

油性や水溶性原液を効率よく塗布できるので、使用量を減らしてコスト削減が期待できます。離型ムラや離型不良が減ることもコスト削減になります。過剰な塗布が無くなり、産業廃棄物処理コストの削減にもつながります。

作業環境の改善

希釈液は水と油が混ざったもので、腐敗すると強いにおいが出ることがあります。新しい技術が導入された希釈装置を使うと強いにおいが抑えられ、作業環境の改善となります。

においが出るたびに掃除をしていた場合は、清掃回数が減るので作業効率の改善が期待できます。

離型剤希釈装置はダイカスト製造に欠かせない

ダイカスト製造で金型から成型物を取り出すためには離型剤が欠かせません。離型剤は希釈して使いますが、均一な希釈をしなければ品質にムラが出たり製品不良につながるおそれがありますが、希釈装置を使うことでそのリスクを軽減できます。

離型剤希釈装置は、新しい技術によりにおいが出ないものも登場しています。コスト削減や作業環境改善効果も期待できるので、リプレースを考えている場合はチェックしてください。

現場の生産方式別・切削油
(クーラント)

⾃動希釈装置3選

ここでは、生産方式別に切削油(クーラント)を自動供給できる希釈装置を紹介します。自社の生産方式に合わせて適切な装置を導入し、生産性アップ・業務負担の低減・コストダウンを目指しましょう。

連続生産方式
現場には
自動希釈装置
「MAKKY-MINI 65-D」

Makky Mini 65-D(真岐興業株式会社) 引用元:真岐興業株式会社
(https://makky.co.jp/product/)

特徴
  • 希釈液をエアーポンプで供給する方式を採用。加圧タンク不要で内圧の変動による作業中断の発生なし。長時間の連続稼働でも希釈液を安定供給。
  • 離型剤(原液)の空容器を希釈液のタンク代わりにして利用する仕組み。専用タンクを必要としないため、洗浄や補充による作業中断が無い
  • 生産環境や特殊な作業条件に合わせて機能追加可能。圧送ポンプの自動復帰回路やマシンインターロック、凍結防止ヒーターなど。

公式サイトで
装置の仕様をチェック

受注生産方式
現場には
クーラント自動希釈装置
「MX-600C」

クーラント自動希釈装置(株式会社CEM) 引用元:株式会社CEM
(https://www.kcem.co.jp/product/)

特徴
  • 希釈率を1.0~20.0%の範囲で精度±0.2%で管理。受注生産方式で求められる製品ごとに異なる濃度に設定できるため、個別の品質基準にも対応可
  • 使用量や濃度設定を記録する機能があるため、受注ごとの履歴管理可。品質管理の問い合わせにも対応しやすく、受注生産の信頼性が高まる。
  • 一つの装置で複数の異なる希釈率を同時に設定・供給可能(オプション機能) 。顧客のニーズや仕様に応じた対応ができる

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ロット生産方式
現場には
クーラント液管理システム
「Will-Fill AIO」

クーラント液管理・自動調整システム(WILL-FILL) 引用元:WILL-FILL
(https://will-fill.com/ja)

特徴
  • クーラント液のレベルや濃度、水圧、ポンプの速度など、12種類のパラメータを同時に測定・管理可。異なる製品ごとに別の条件が必要になるロット生産に適する。
  • クーラントの残量監視と補給機能により、異なるロットでも連続して作業が行われる。手動操作が少なく、生産の流れを途切れさせない。
  • 定期的にクーラント液の状態を整える機能を搭載。液体成分が均一に保つことができ、ロットごとの品質ばらつきを防げる

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