機械部品加工・製造の⽣産性を上げる⾃動希釈装置ガイド
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適正なpH・密度

切削油のpH値と密度は、加工品質と工作機械の効率に直接的な影響を与えます。この記事では、水溶性切削油剤のpH値と密度の重要性、および自動希釈装置の導入がもたらすメリットについて、専門的な知識を提供します。

目次

水溶性切削油剤の
pH値とは?

水溶性切削油剤のpH値は、切削工程での金属の加工性や製品の品質に大きく影響を及ぼします。適切なpH値は、製品の表面品質を向上させ、腐食や機械の摩耗を防ぎます。一般的に、適切なpH値は8~10の間で保たれることが望ましいです。

なぜpH値が重要なのか

pH値が低すぎると、金属の腐食が促進され、切削効率が低下します。逆にpH値が高すぎると、作業者の皮膚に刺激を与えることがあり、またバクテリアの増殖を抑えるために過剰な化学薬品が必要となる場合があります。このバランスを保つことが、持続可能な製造プロセスと作業環境の安全性を保証できるでしょう。

密度とその影響

密度は、切削油の濃度を示す重要な指標です。適切な密度を維持することで、切削性能が向上し、工具の寿命が延びます。特に高精度が求められる加工においては、切削油の密度調整が重要になります。

密度管理の方法

密度の適正管理は、切削油の消耗率と混入物の監視を通じて行います。定期的なテストと調整により、一貫した加工品質を保証することができます。

切削油を適切に管理する方法

金属加工の品質に大きな影響を与える切削油。自動希釈装置の導入は、切削油の管理を自動化し精度を向上させることができます。この装置は、切削油の密度とpH値をリアルタイムで監視し、必要に応じて自動的に調整します。これにより、切削油の品質を常に適切な状態に保ち、加工精度を高めることができるでしょう。

作業効率の向上

自動希釈装置は、切削油の希釈比を常に適切なレベルに保つことで、手作業による時間消費を削減。これにより、作業員はより生産的な作業に集中できるようになります。また、切削油の調整を自動で行うことで、人的ミスが減少し、全体的な生産性が向上します。

切削油の使用効率の適正化

自動希釈装置は、使用する切削油の量を適正化することができます。これにより、必要以上の切削油を使用することがなくなり、切削油の消費を減らしながら、加工品の品質を維持することが可能です。長期的には、切削油のコスト削減にもつながります。

環境への影響の低減

切削油の過剰な使用や不適切な廃棄は環境への負荷を増加させます。自動希釈装置による精密な管理は、これらの問題をできるだけ抑え、環境保護にも寄与します。適切な量の切削油の使用は、廃棄物の量も減少させるため、環境への影響を軽減できるでしょう。

製品品質の一貫性の保持

切削油の品質が一定でないと、加工される製品の品質にバラつきが生じることがあります。自動希釈装置は、切削油の条件を一定に保つことで、製品の品質を均一に保持。これにより、顧客への信頼性が向上し、製品のリジェクト率が減少します。以上のように、自動希釈装置の導入は、作業効率の向上、コスト削減、環境保護、そして製品品質の向上という点で、工作機械を使用する工場にとって多大なメリットをもたらすでしょう。

まとめ

切削油のpH値と密度は工作機械の効率と製品品質に深く影響します。自動希釈装置を導入することで管理の自動化が可能となり、作業効率を向上させると同時にコスト削減や環境保護にも寄与します。この装置は、切削油の条件を適切に保ち、製品品質の一貫性を保証。全体として、自動希釈装置は工場の生産性と持続可能性を高めるための重要な技術となるでしょう。

関連リンク

現場の生産方式別・切削油
(クーラント)

⾃動希釈装置3選

ここでは、生産方式別に切削油(クーラント)を自動供給できる希釈装置を紹介します。自社の生産方式に合わせて適切な装置を導入し、生産性アップ・業務負担の低減・コストダウンを目指しましょう。

連続生産方式
現場には
自動希釈装置
「MAKKY-MINI 65-D」

Makky Mini 65-D(真岐興業株式会社) 引用元:真岐興業株式会社
(https://makky.co.jp/product/)

特徴
  • 希釈液をエアーポンプで供給する方式を採用。加圧タンク不要で内圧の変動による作業中断の発生なし。長時間の連続稼働でも希釈液を安定供給。
  • 離型剤(原液)の空容器を希釈液のタンク代わりにして利用する仕組み。専用タンクを必要としないため、洗浄や補充による作業中断が無い
  • 生産環境や特殊な作業条件に合わせて機能追加可能。圧送ポンプの自動復帰回路やマシンインターロック、凍結防止ヒーターなど。

公式サイトで
装置の仕様をチェック

受注生産方式
現場には
クーラント自動希釈装置
「MX-600C」

クーラント自動希釈装置(株式会社CEM) 引用元:株式会社CEM
(https://www.kcem.co.jp/product/)

特徴
  • 希釈率を1.0~20.0%の範囲で精度±0.2%で管理。受注生産方式で求められる製品ごとに異なる濃度に設定できるため、個別の品質基準にも対応可
  • 使用量や濃度設定を記録する機能があるため、受注ごとの履歴管理可。品質管理の問い合わせにも対応しやすく、受注生産の信頼性が高まる。
  • 一つの装置で複数の異なる希釈率を同時に設定・供給可能(オプション機能) 。顧客のニーズや仕様に応じた対応ができる

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ロット生産方式
現場には
クーラント液管理システム
「Will-Fill AIO」

クーラント液管理・自動調整システム(WILL-FILL) 引用元:WILL-FILL
(https://will-fill.com/ja)

特徴
  • クーラント液のレベルや濃度、水圧、ポンプの速度など、12種類のパラメータを同時に測定・管理可。異なる製品ごとに別の条件が必要になるロット生産に適する。
  • クーラントの残量監視と補給機能により、異なるロットでも連続して作業が行われる。手動操作が少なく、生産の流れを途切れさせない。
  • 定期的にクーラント液の状態を整える機能を搭載。液体成分が均一に保つことができ、ロットごとの品質ばらつきを防げる

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