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旋盤加工で精度が安定しない

旋盤加工における切削油の選択は、加工品質と作業効率に直接的な影響を与えます。特に、水溶性切削油の冷却効果は高温での加工に不可欠であるため、適切な切削油の選定と管理が求められます。

目次

旋盤加工に適切な切削油

旋盤加工では、材料を削る過程で大量の熱が発生するため、冷却効果が高い水溶性切削油が推奨されます。この切削油は、高温下でも安定した性能を提供し、工具の摩耗を防ぎながら加工精度を保持するのに効果的です。

切削油の種類

切削油には、主に水溶性と不水溶性の二種類があります。それぞれに特徴と適用される範囲が異なりますので、その特性を理解し適切に選択することが重要です。

水溶性切削油の特徴と種類

水溶性切削油は水で希釈して使用され、高い冷却効果を提供します。主にエマルション型、ケミカルソリューション型、ソリュブル型の三つに分類されます。

エマルション型は潤滑性が特に高く、アルミニウム合金からステンレス鋼まで幅広い金属に適用可能です。ソリュブル型は透明または半透明で、洗浄力と冷却効果が高いため視認性が必要な場合に選ばれます。ケミカルソリューション型は冷却効果が高く、透明なため視認性が良いですが、潤滑性は低いです。

不水溶性切削油の特徴と種類

不水溶性切削油は油性で直接使用されるタイプで、高い潤滑効果が得られます。N1種~N4種までのカテゴリーがあり、それぞれの種類は極圧添加剤の有無や銅板腐食性によって分類されます。

N1種は基本的な潤滑油であり、N2種は極圧添加剤が加えられており、より高い負荷に耐えることが可能です。N3種とN4種はそれぞれ硫黄分の極圧添加剤を含み、銅板腐食性が強く、特に困難な加工条件下で使用されます。

これらの切削油を適切に選択することで、加工効率の向上と工具の寿命延長に寄与します。各種切削油の性質を理解し、加工する材料や工程の要求に応じて適切なものを選ぶことが重要です。

切削油を管理する際の注意点

切削油を扱う際には品質チェックや火災のリスクなど注意が必要です。

水溶性切削油の場合

水溶性切削油は腐敗やバクテリアの増殖が問題となることがあります。定期的な品質チェックと適切な管理が必要で、特に悪臭や油の浮きが見られた場合は交換を検討する必要があります。

不水溶性切削油の場合

不水溶性切削油は、火災のリスクがあるため、使用環境や保管方法に注意が必要です。また、高温での使用は特に注意が必要で、適切な冷却措置が求められます。

旋盤加工には水溶性切削油を使おう

旋盤加工においては、高温に対応するために冷却性能を重視した水溶性切削油が選ばれるケースが多い傾向にあります。自動希釈装置を導入することで、効率的に良質な水溶性切削油を作り出すことが可能です。適切な切削油の選択と管理により、生産性の向上とコスト削減を実現しましょう。

関連リンク

現場の生産方式別・切削油
(クーラント)

⾃動希釈装置3選

ここでは、生産方式別に切削油(クーラント)を自動供給できる希釈装置を紹介します。自社の生産方式に合わせて適切な装置を導入し、生産性アップ・業務負担の低減・コストダウンを目指しましょう。

連続生産方式
現場には
自動希釈装置
「MAKKY-MINI 65-D」

Makky Mini 65-D(真岐興業株式会社) 引用元:真岐興業株式会社
(https://makky.co.jp/product/)

特徴
  • 希釈液をエアーポンプで供給する方式を採用。加圧タンク不要で内圧の変動による作業中断の発生なし。長時間の連続稼働でも希釈液を安定供給。
  • 離型剤(原液)の空容器を希釈液のタンク代わりにして利用する仕組み。専用タンクを必要としないため、洗浄や補充による作業中断が無い
  • 生産環境や特殊な作業条件に合わせて機能追加可能。圧送ポンプの自動復帰回路やマシンインターロック、凍結防止ヒーターなど。

公式サイトで
装置の仕様をチェック

受注生産方式
現場には
クーラント自動希釈装置
「MX-600C」

クーラント自動希釈装置(株式会社CEM) 引用元:株式会社CEM
(https://www.kcem.co.jp/product/)

特徴
  • 希釈率を1.0~20.0%の範囲で精度±0.2%で管理。受注生産方式で求められる製品ごとに異なる濃度に設定できるため、個別の品質基準にも対応可
  • 使用量や濃度設定を記録する機能があるため、受注ごとの履歴管理可。品質管理の問い合わせにも対応しやすく、受注生産の信頼性が高まる。
  • 一つの装置で複数の異なる希釈率を同時に設定・供給可能(オプション機能) 。顧客のニーズや仕様に応じた対応ができる

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ロット生産方式
現場には
クーラント液管理システム
「Will-Fill AIO」

クーラント液管理・自動調整システム(WILL-FILL) 引用元:WILL-FILL
(https://will-fill.com/ja)

特徴
  • クーラント液のレベルや濃度、水圧、ポンプの速度など、12種類のパラメータを同時に測定・管理可。異なる製品ごとに別の条件が必要になるロット生産に適する。
  • クーラントの残量監視と補給機能により、異なるロットでも連続して作業が行われる。手動操作が少なく、生産の流れを途切れさせない。
  • 定期的にクーラント液の状態を整える機能を搭載。液体成分が均一に保つことができ、ロットごとの品質ばらつきを防げる

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