機械部品加工・製造の⽣産性を上げる⾃動希釈装置ガイド
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切削油の濃度と管理方法

本記事では、水溶性切削油の適切な管理がなぜ重要なのか、そして水溶性切削油の管理を容易にする自動希釈装置の導入がいかにして工場の生産性と品質向上に貢献するかを解説します。特に、多数の工作機械を運用する中小規模の加工工場において、切削油の管理方法を適正化することの重要性について紹介します。

目次

切削油の濃度とその影響

水溶性切削油の濃度は、加工品質に直接影響を与えます。例えば、濃度が低すぎると潤滑性が不足し、摩耗や加工不良の原因となります。一方、濃度が高すぎると不必要なコスト増加や機械への負担、さらには作業環境の悪化を招く恐れも。したがって、切削油の濃度は、加工効率とコスト削減のバランスを考慮して管理する必要があります。

切削油の適切な管理方法とは

切削油の濃度管理には、定期的な測定と調整が必要です。このプロセスを手動で行う場合、時間と労力がかかり、濃度のばらつきによる品質の不安定さが問題となることがあります。そのため、濃度を一定に保つためのシステムや、pH値と密度を自動で監視し調整する装置の導入が推奨されます。

自動希釈装置の導入メリット

自動希釈装置の導入は、切削油の濃度管理を効率化し安定性の高い加工品質を維持するための有効な手段です。この装置は、切削油と水の混合比率を自動で調整し、常に適切な濃度を保持します。

以下に自動希釈装置の主なメリットを列挙します。

工作機械を複数所有している中小受託加工型工場では、生産性の向上とコスト削減が経営の重要な課題です。自動希釈装置の導入により、切削油の濃度管理を効率化し、製品品質の安定化とコスト削減を同時に実現することができます。これにより、競争力のある製造業務の運営が可能となります。

まとめ

本記事では、水溶性切削油の適切な管理の重要性と、自動希釈装置の導入がいかにして中小規模の加工工場における生産性と品質向上に貢献するかを説明しました。切削油の適切な濃度管理は加工品質を安定させ、コスト削減にもつながります。自動希釈装置により、これらの管理作業を効率化し、作業環境の改善と工場の競争力向上につなげていきましょう。

関連リンク

現場の生産方式別・切削油
(クーラント)

⾃動希釈装置3選

ここでは、生産方式別に切削油(クーラント)を自動供給できる希釈装置を紹介します。自社の生産方式に合わせて適切な装置を導入し、生産性アップ・業務負担の低減・コストダウンを目指しましょう。

連続生産方式
現場には
自動希釈装置
「MAKKY-MINI 65-D」

Makky Mini 65-D(真岐興業株式会社) 引用元:真岐興業株式会社
(https://makky.co.jp/product/)

特徴
  • 希釈液をエアーポンプで供給する方式を採用。加圧タンク不要で内圧の変動による作業中断の発生なし。長時間の連続稼働でも希釈液を安定供給。
  • 離型剤(原液)の空容器を希釈液のタンク代わりにして利用する仕組み。専用タンクを必要としないため、洗浄や補充による作業中断が無い
  • 生産環境や特殊な作業条件に合わせて機能追加可能。圧送ポンプの自動復帰回路やマシンインターロック、凍結防止ヒーターなど。

公式サイトで
装置の仕様をチェック

受注生産方式
現場には
クーラント自動希釈装置
「MX-600C」

クーラント自動希釈装置(株式会社CEM) 引用元:株式会社CEM
(https://www.kcem.co.jp/product/)

特徴
  • 希釈率を1.0~20.0%の範囲で精度±0.2%で管理。受注生産方式で求められる製品ごとに異なる濃度に設定できるため、個別の品質基準にも対応可
  • 使用量や濃度設定を記録する機能があるため、受注ごとの履歴管理可。品質管理の問い合わせにも対応しやすく、受注生産の信頼性が高まる。
  • 一つの装置で複数の異なる希釈率を同時に設定・供給可能(オプション機能) 。顧客のニーズや仕様に応じた対応ができる

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ロット生産方式
現場には
クーラント液管理システム
「Will-Fill AIO」

クーラント液管理・自動調整システム(WILL-FILL) 引用元:WILL-FILL
(https://will-fill.com/ja)

特徴
  • クーラント液のレベルや濃度、水圧、ポンプの速度など、12種類のパラメータを同時に測定・管理可。異なる製品ごとに別の条件が必要になるロット生産に適する。
  • クーラントの残量監視と補給機能により、異なるロットでも連続して作業が行われる。手動操作が少なく、生産の流れを途切れさせない。
  • 定期的にクーラント液の状態を整える機能を搭載。液体成分が均一に保つことができ、ロットごとの品質ばらつきを防げる

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