機械部品加工・製造の⽣産性を上げる⾃動希釈装置ガイド
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切削油によるアレルギー反応について

摩擦を減少させ切削効率を上げる切削油は金属加工において重要なものですが、長い時間触れているとアレルギー反応で発疹やかぶれが出ることがあります。この記事では、切削油の皮膚アレルギーが起こる原因や対策についてまとめました。

アレルギー反応の原因として可能性のあるもの

切削油でアレルギー反応が出る原因はいくつか考えられます。まずは、切削油の成分によるものです。

切削油は鉱油や合成油、半合成油で構成されています。

切削油に含まれる抗酸化剤や乳化剤などの添加剤も特定化学成分がアレルギー反応を引き起こす場合があります。

切削油のpHレベルが高いと強い刺激を与える恐れがありますが、pHレベルが低くても細菌増殖やアレルギーリスクが高まってしまいます。

切削油が蒸発して霧になると、呼吸器系に有害となる場合があり、これが皮膚アレルギーや呼吸器疾患につながる恐れがあります。

また、油は脱脂作用があるためどうしても皮膚が乾燥しやすくなりますし、手洗い回数が多くなることも乾燥につながります。刺激を受けやすくなった皮膚に工業用油や薬品が付着すると炎症を引き起こしやすくなります。

切削油アレルギーを防ぐための対策

切削油のアレルギーは、原因が分かっていれば対策して防止できます。経営者が実施するもの、作業者が実施するものがあるので、詳しく紹介していきましょう。

低アレルゲンの切削油を選ぶ

切削油に含まれるホルムアルデヒドや亜硝酸塩がアレルギーを引き起こす可能性があるので、それらが含まれていない低アレルゲンの切削油を選ぶようにしましょう。

手洗い用のハンドソープも刺激の弱いものを選ぶと良いでしょう。

pHと濃度を最適な状態に保つ

切削油のpHは時間経過によって変動します。定期的に切削油のpHを確認して最適な範囲になるようにすることが大切です。

清潔な作業環境を保つ

作用服を常に洗濯して油がついたものを身に着けないようにする、清潔な状態を常に保つことで、アレルギーを防ぐことができます。

切削油の使用前にはワセリンなどの保護クリームを使用することで皮膚を保護し、刺激物が直接皮膚に触れることを防ぐことができます。汚れも付きにくくなりますし、手洗い回数が減れば乾燥を防ぐことにもつながります。手などの露出している部分は石鹸で洗うこと、作業が終わった後はシャワーで全身を洗うことも対策として有効でしょう。

設備として集塵機や油中の危険金属片を除去するろ過装置、シャワーなどを設置をして作業に適した環境を作ることも重要です。

個人用保護具(PPE)の使用

作業をするときは切削油が直接肌に触れるのを防ぐよう、油に強い手袋やアームカバーを着用する、長袖の作業着を着るなど気を付けましょう。また、手袋をつけるときには定期的に交換して湿った状態を長く続けないようにしておきましょう。

ただし、ゴム手袋そのものがアレルギーを起こす場合もあるので布手袋からゴム手袋を着けるなどの対策もしましょう。

切削油によるアレルギーを防ぐためには適切な対策が必要

金属の加工効率を高める切削油は、皮膚アレルギーを起こしてしまうことがあります。低アレルゲンのものを選ぶ、手袋や作業着で肌に直接触れないようにする、設備を清潔に保ち、手洗い・シャワーを適切に行うなど対策し、アレルギーリスクを効果的に避けていきましょう。

現場の生産方式別・切削油
(クーラント)

⾃動希釈装置3選

ここでは、生産方式別に切削油(クーラント)を自動供給できる希釈装置を紹介します。自社の生産方式に合わせて適切な装置を導入し、生産性アップ・業務負担の低減・コストダウンを目指しましょう。

連続生産方式
現場には
自動希釈装置
「MAKKY-MINI 65-D」

Makky Mini 65-D(真岐興業株式会社) 引用元:真岐興業株式会社
(https://makky.co.jp/product/)

特徴
  • 希釈液をエアーポンプで供給する方式を採用。加圧タンク不要で内圧の変動による作業中断の発生なし。長時間の連続稼働でも希釈液を安定供給。
  • 離型剤(原液)の空容器を希釈液のタンク代わりにして利用する仕組み。専用タンクを必要としないため、洗浄や補充による作業中断が無い
  • 生産環境や特殊な作業条件に合わせて機能追加可能。圧送ポンプの自動復帰回路やマシンインターロック、凍結防止ヒーターなど。

公式サイトで
装置の仕様をチェック

受注生産方式
現場には
クーラント自動希釈装置
「MX-600C」

クーラント自動希釈装置(株式会社CEM) 引用元:株式会社CEM
(https://www.kcem.co.jp/product/)

特徴
  • 希釈率を1.0~20.0%の範囲で精度±0.2%で管理。受注生産方式で求められる製品ごとに異なる濃度に設定できるため、個別の品質基準にも対応可
  • 使用量や濃度設定を記録する機能があるため、受注ごとの履歴管理可。品質管理の問い合わせにも対応しやすく、受注生産の信頼性が高まる。
  • 一つの装置で複数の異なる希釈率を同時に設定・供給可能(オプション機能) 。顧客のニーズや仕様に応じた対応ができる

公式サイトで
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ロット生産方式
現場には
クーラント液管理システム
「Will-Fill AIO」

クーラント液管理・自動調整システム(WILL-FILL) 引用元:WILL-FILL
(https://will-fill.com/ja)

特徴
  • クーラント液のレベルや濃度、水圧、ポンプの速度など、12種類のパラメータを同時に測定・管理可。異なる製品ごとに別の条件が必要になるロット生産に適する。
  • クーラントの残量監視と補給機能により、異なるロットでも連続して作業が行われる。手動操作が少なく、生産の流れを途切れさせない。
  • 定期的にクーラント液の状態を整える機能を搭載。液体成分が均一に保つことができ、ロットごとの品質ばらつきを防げる

公式サイトで
装置の仕様をチェック