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ワークが変色してしまった

銅の加工における切削油の変色は、生産効率や製品品質に悪影響を及ぼす問題です。本記事では、この問題の原因と効果的な対策を探ります。

目次

銅と水溶性切削油の相互作用

水溶性切削油が変色する主な原因と、動の変色を引き起こす切削油の問題点についてそれぞれ確認していきましょう。

切削油の変色原因

銅加工時に使用される水溶性切削油は、銅との化学反応により青や緑に変色することがあります。この変色は、切削油中の成分が銅のイオンと結合することが原因です。加工品の品質低下のみならず、切削液自体の性能低下や交換頻度の増加につながります。

銅の変色を引き起こす切削油の問題点

加工中に銅が化学反応を起こし、切削液中に微量の銅イオンが溶け出します。銅イオンの溶出によって切削液のpHバランスが酸性に傾き液全体の化学的安定性が損なわれる可能性があります。このpHの変化は、切削液の腐食防止能力の低下を招き、切削液自体の劣化を早める原因です。

さらに銅が溶出する過程で、切削油中の特定の添加剤が銅と結合しやすくなり、結果として切削油の粘度が増加します。粘度が増加することで、油のべたつき感を引き起こし、機械の内部や加工品の表面に不要な残留物を残すことになります。

これが進むと、加工精度の低下や機械部品の摩耗、さらには清掃の手間が増大し、生産効率にも悪影響を及ぼすことになるでしょう。

切削油の変色の防止策

切削油の変色を防止するためには、切削油の防食性が十分に発揮される濃度で使用することが重要とされています。自動希釈装置を導入することで濃度管理を自動化することが可能です。

濃度管理による変色防止

自動希釈装置を導入することで、切削油の濃度を常に適切なレベルに保つことができます。適切な濃度の維持は、銅の溶出を抑制し、変色とべたつきを効果的に防ぐことが可能です。これにより、切削油の交換頻度の低減と長寿命化を実現し、運用コストを削減します。

生産効率と作業環境の向上

長期間安定した品質の切削油を使用できるため、頻繁な交換の必要がなくなりコスト削減につながります。さらに切削油の変色やべたつきがなくなることで、加工環境が清潔に保たれ、作業員の作業効率も向上します。

まとめ

銅の加工における切削油の変色は、適切な切削油の管理と技術の導入で解決可能です。自動希釈装置を活用し、適切な濃度の切削油を使用することで、銅の加工効率を向上させると同時に、コスト削減と作業環境の質の向上が期待できるでしょう。

関連リンク

現場の生産方式別・切削油
(クーラント)

⾃動希釈装置3選

ここでは、生産方式別に切削油(クーラント)を自動供給できる希釈装置を紹介します。自社の生産方式に合わせて適切な装置を導入し、生産性アップ・業務負担の低減・コストダウンを目指しましょう。

連続生産方式
現場には
自動希釈装置
「MAKKY-MINI 65-D」

Makky Mini 65-D(真岐興業株式会社) 引用元:真岐興業株式会社
(https://makky.co.jp/product/)

特徴
  • 希釈液をエアーポンプで供給する方式を採用。加圧タンク不要で内圧の変動による作業中断の発生なし。長時間の連続稼働でも希釈液を安定供給。
  • 離型剤(原液)の空容器を希釈液のタンク代わりにして利用する仕組み。専用タンクを必要としないため、洗浄や補充による作業中断が無い
  • 生産環境や特殊な作業条件に合わせて機能追加可能。圧送ポンプの自動復帰回路やマシンインターロック、凍結防止ヒーターなど。

公式サイトで
装置の仕様をチェック

受注生産方式
現場には
クーラント自動希釈装置
「MX-600C」

クーラント自動希釈装置(株式会社CEM) 引用元:株式会社CEM
(https://www.kcem.co.jp/product/)

特徴
  • 希釈率を1.0~20.0%の範囲で精度±0.2%で管理。受注生産方式で求められる製品ごとに異なる濃度に設定できるため、個別の品質基準にも対応可
  • 使用量や濃度設定を記録する機能があるため、受注ごとの履歴管理可。品質管理の問い合わせにも対応しやすく、受注生産の信頼性が高まる。
  • 一つの装置で複数の異なる希釈率を同時に設定・供給可能(オプション機能) 。顧客のニーズや仕様に応じた対応ができる

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ロット生産方式
現場には
クーラント液管理システム
「Will-Fill AIO」

クーラント液管理・自動調整システム(WILL-FILL) 引用元:WILL-FILL
(https://will-fill.com/ja)

特徴
  • クーラント液のレベルや濃度、水圧、ポンプの速度など、12種類のパラメータを同時に測定・管理可。異なる製品ごとに別の条件が必要になるロット生産に適する。
  • クーラントの残量監視と補給機能により、異なるロットでも連続して作業が行われる。手動操作が少なく、生産の流れを途切れさせない。
  • 定期的にクーラント液の状態を整える機能を搭載。液体成分が均一に保つことができ、ロットごとの品質ばらつきを防げる

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