本記事では、切削油の極圧剤の種類とその作用に焦点を当てて解説します。加えて塩素系極圧剤が工具の性能と寿命に与える影響を詳しく紹介し、適切な製品選択の重要性を説明します。
切削油は、製造業における工具の性能と寿命に直接的な影響を及ぼす重要な要素です。特に、極圧剤として知られる添加剤は、これらの油の効果を大きく向上させることができます。以下では、塩素系、硫黄系、燐系、亜鉛系、カルシウム系といった各種極圧剤の特性とその作用について詳細に解説します。
塩素系極圧剤は、切削作業時の高温下で優れた潤滑性を提供します。これは、高温で塩素が金属表面と反応し、摩擦を減少させる薄い潤滑膜を形成するためです。しかし、塩素が環境に与える影響も考慮し、使用は慎重に行う必要があります。
硫黄系極圧剤は、特に重切削や高速切削において金属表面と反応して強力な潤滑膜を形成します。これにより、工具の摩耗を大幅に減少させることができますが、高温下では腐食性が問題となることもあります。
燐系極圧剤は低温から効果を発揮する塩素系極圧剤の代替品として使用されます。硫黄系極圧剤と組み合わせることで、その効果をさらに高めることが可能です。
亜鉛系FM剤は多機能型の添加剤であり、摩耗防止、腐食防止、荷重耐性の向上に寄与します。これにより、長期にわたる機械の性能維持が可能になります。
カルシウム系FM剤は特に摩擦減少に効果があり、硫黄系極圧剤との併用で相乗効果を発揮します。しかし、固形物の蓄積や配管の詰まりを引き起こすリスクがあるため、注意が必要です。
塩素系極圧剤は、その低コストと高い効果で長年にわたり広く利用されてきました。特に150℃から400℃の温度範囲で、塩素系極圧剤は金属加工の効率を飛躍的に向上させることが可能です。
しかし、その環境への影響も無視できません。塩素系極圧剤の使用は、ダイオキシンなどの有害な化学物質の生成リスクを伴います。これは燃焼時に特に問題となり、使用済みの切削油が適切に処理されない場合、環境に対する負荷が増大。
欧州連合では、特に炭素数が10~13の短鎖塩素化パラフィンや、14~17の中鎖塩素化パラフィンが規制対象となっており、これらは毒性が高いとされています。これにより、これらの化学物質の使用は徐々に制限され、切削油業界では塩素フリータイプの極圧剤への移行が進んでいます。
環境への配慮は、ただ単に法的要件を満たすためだけではなく、持続可能な製造プロセスを実現するためにも重要です。工場経営者や工場長は、塩素系極圧剤の利用に当たっては、その環境影響と安全性を考慮に入れた上で、適した製品を選択することが求められます。適切な処理と管理を行うことで、環境保護と生産効率のバランスをとることが可能です。
工場の各種機械に適した切削油の選択は、コスト削減と生産性向上の鍵となります。塩素系、硫黄系、燐系の特性を理解し、それぞれの機械と加工材料に適した製品を選定することが重要です。さらに水溶性切削油の効果を引き出すためには、適切な濃度管理が重要となります。自動希釈装置を導入することで、常に適切な濃度管理を行うことが可能です。
ここでは、生産方式別に切削油(クーラント)を自動供給できる希釈装置を紹介します。自社の生産方式に合わせて適切な装置を導入し、生産性アップ・業務負担の低減・コストダウンを目指しましょう。
引用元:真岐興業株式会社
(https://makky.co.jp/product/)
引用元:株式会社CEM
(https://www.kcem.co.jp/product/)
引用元:WILL-FILL
(https://will-fill.com/ja)