機械部品加工・製造の⽣産性を上げる⾃動希釈装置ガイド
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他油混入を防ぐための対策

切削油や潤滑油などを使用するにあたって、「他油混入」には厳重に注意をはらう必要があります。切削油や潤滑油などを使用している際に異物や他の油などが混入してしまうと、さまざまな問題を引き起こす恐れがあります。このページでは他油混入を防ぐための対策を紹介・解説していきます。ぜひチェックして参考にしてください。

他油混入を防ぐための対策とは

他油混入を防ぐための対策にはさまざまなものがあります。アプローチとしては「機械構造面における対策」や「管理運用面における対策」がありますので、それぞれの角度から解説していきます。また、「緊急時の対応」についても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

機械構造面の対策

ここでは機械構造における対策について紹介・解説していきます。

一つ目は、潤滑油や作動油などが切削油のタンクへ流入することを防ぐために、機械のシール部やガスケットの定期点検です。特に回転軸周辺は空洞が生まれやすく混入経路になりやすいので、メカニカルシールの劣化チェックを週次や月次など周期を定めて行うとよいでしょう。

二つ目は、専用供給システムの構築です。切削油や潤滑油の供給ラインを物理的に分離することにより混入を防ぐ方法があります。集中給油システムを使用しているような場合においては、配管経路の独立性を確保するとよいでしょう。

管理運用面の対策

次に構造面ではなく、管理や運用場面における対策について紹介・解説します。

一つ目は、濃度管理の徹底です。屈折計などを用いて日次濃度チェックを行い、異常の早期発見ができる管理体制を構築します。濃度低下が検知された場合は他油混入の可能性が疑われますので、成分分析を実施しましょう。

二つ目は、浄化装置の導入です。混入油の比重差を利用して物理的分離をおこなう遠心分離機やタンク表面に浮上した他油を除去するスキマー装置、微細な油分を吸着除去する吸着フィルターなどの分離性能を備えた浄化システムを導入して、他油混入を防止します。

緊急時対応

できうる限りの混入対策を施しても、他油混入事故を完全に防止することは困難ですので、緊急時の対応についても考えておく必要があります。

まずは油水分離材の常備です。混入が発生した場合に使用しますが、根本的な解決ですが相応の分離時間がかかるので応急処置的な補助手段としての位置づけです。

次に定期的な油質分析を行うことも有用です。2か月や3か月など一定周期で専門機関における分析を実施し、混入油の種類を特定します。混入経路の特定や再発防止策の検討のために必要です。

さまざまな角度から防止策を

混入防止などのように特定の課題を解決するためには「発生しない仕組みづくり」と「発生した時の対応」の2つの軸から検討が必要です。特に水溶性切削油では「抗菌性油剤の選定」と「自動濃度管理システム」の組み合わせが効果的です。混入防止を図ると同時に、万が一混入した場合にも迅速に分離できる油剤特性が重要です。

現場の生産方式別・切削油
(クーラント)

⾃動希釈装置3選

ここでは、生産方式別に切削油(クーラント)を自動供給できる希釈装置を紹介します。自社の生産方式に合わせて適切な装置を導入し、生産性アップ・業務負担の低減・コストダウンを目指しましょう。

連続生産方式
現場には
自動希釈装置
「MAKKY-MINI 65-D」

Makky Mini 65-D(真岐興業株式会社) 引用元:真岐興業株式会社
(https://makky.co.jp/product/)

特徴
  • 希釈液をエアーポンプで供給する方式を採用。加圧タンク不要で内圧の変動による作業中断の発生なし。長時間の連続稼働でも希釈液を安定供給。
  • 離型剤(原液)の空容器を希釈液のタンク代わりにして利用する仕組み。専用タンクを必要としないため、洗浄や補充による作業中断が無い
  • 生産環境や特殊な作業条件に合わせて機能追加可能。圧送ポンプの自動復帰回路やマシンインターロック、凍結防止ヒーターなど。

公式サイトで
装置の仕様をチェック

受注生産方式
現場には
クーラント自動希釈装置
「MX-600C」

クーラント自動希釈装置(株式会社CEM) 引用元:株式会社CEM
(https://www.kcem.co.jp/product/)

特徴
  • 希釈率を1.0~20.0%の範囲で精度±0.2%で管理。受注生産方式で求められる製品ごとに異なる濃度に設定できるため、個別の品質基準にも対応可
  • 使用量や濃度設定を記録する機能があるため、受注ごとの履歴管理可。品質管理の問い合わせにも対応しやすく、受注生産の信頼性が高まる。
  • 一つの装置で複数の異なる希釈率を同時に設定・供給可能(オプション機能) 。顧客のニーズや仕様に応じた対応ができる

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ロット生産方式
現場には
クーラント液管理システム
「Will-Fill AIO」

クーラント液管理・自動調整システム(WILL-FILL) 引用元:WILL-FILL
(https://will-fill.com/ja)

特徴
  • クーラント液のレベルや濃度、水圧、ポンプの速度など、12種類のパラメータを同時に測定・管理可。異なる製品ごとに別の条件が必要になるロット生産に適する。
  • クーラントの残量監視と補給機能により、異なるロットでも連続して作業が行われる。手動操作が少なく、生産の流れを途切れさせない。
  • 定期的にクーラント液の状態を整える機能を搭載。液体成分が均一に保つことができ、ロットごとの品質ばらつきを防げる

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