機械部品加工・製造の⽣産性を上げる⾃動希釈装置ガイド
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切削油における異物混入について

切削油に異物が混入すると、切削油の性能劣化や異臭など加工不良や作業環境の悪化につながるおそれがあります。ここでは、異物混入の原因や影響、その対策について紹介します。

主な異物混入の種類と影響

切削油混入する異物について、主な種類とその影響について解説します。

他油(潤滑油・作動油)混入

潤滑油や作動油など他の油が切削油タンクに流入して混入することがあります。回転軸周辺のシール、ガスケット部分に空洞が生まれ、そこが混入経路になりやすく切削油の劣化や腐敗、泡立ちなどのトラブルが起こるおそれがあります。

また、工具や機械の寿命低下や、仕上げが荒くなるなどの加工不良を引き起こす原因にもなります。

切削油の他油混入を防ぐための対策
について詳しく見る

切りくず・金属粉の混入

切削油に微細な切りくずや金属粉が混入することがあります。これは、切削加工で生じたものが切削油に混入したり、タンクや配管に残った切りくずが溶けだしたりすることが原因です。これらが混入すると切削油の劣化や切削工具の摩耗、またワークに傷をつけるおそれがあります。

また、金属粉を栄養とするバクテリアが増殖すれば、異臭を引き起こす可能性もあります。

水分や異物の混入

切削油には不水溶性と水溶性があります。水溶性切削油は水分が混入すると微生物の繁殖を促してしまい、異臭の発生やヘドロ状の物質を生成することもあります。異臭がある切削油は錆の原因となります。

不水溶性切削油は水分や異物が混入することで粘度や防錆力が低下して潤滑性が失われたり工具の寿命が短くなったりするおそれもあります。

対策方法について

切削油に異物が混入すると、切削油の劣化や機械・工具の寿命低下が起こるおそれがあるので、混入しないように対策することが大切です。異物混入を防ぐことはもちろん、万が一異物が混入した際の対処法を確認しておきましょう。

機械構造面での対策

シール部分やガスケットからの異物混入を防ぐために、これらの劣化について回転軸周辺を中心に定期点検を実施して異物混入経路を遮断します。フィルターや遠心分離機など異物分離ができるような導入も有効です。

管理・運用面での対策

日常的に適切な管理をすることでも、切削油への異物混入を防ぐことができます。

緊急時・発生時の対応

切削油に異物が混入してしまったときは、速やかに分離、取り除くことが大切です。油水分離材を用意しておいて、混入が起きた時には応急処置を行いましょう。フィルターなどで物理的ろ過や、オイルスキマーで浮上油の除去もできます。

また、異物混入が発生したときには原因、混入経路を特定し、再発しないよう対策を取ることも大切です。

異物混入を防ぐには2つの面から対策を取るようにしよう

異物混入対策をするときには、「異物混入の発生を防ぐ仕組みづくり」と「異物混入が生じた際の迅速な対応」の両面を考えておくことが大切です。日々の点検、清掃はもちろん、管理体制の厳格化や専用装置の導入なども検討しましょう。また、適切な油剤を選ぶことで切削油の腐敗を防ぎ、加工不良などのトラブルを防ぐことにもつながります。適切な対策を取って異物混入を防ぎましょう。

現場の生産方式別・切削油
(クーラント)

⾃動希釈装置3選

ここでは、生産方式別に切削油(クーラント)を自動供給できる希釈装置を紹介します。自社の生産方式に合わせて適切な装置を導入し、生産性アップ・業務負担の低減・コストダウンを目指しましょう。

連続生産方式
現場には
自動希釈装置
「MAKKY-MINI 65-D」

Makky Mini 65-D(真岐興業株式会社) 引用元:真岐興業株式会社
(https://makky.co.jp/product/)

特徴
  • 希釈液をエアーポンプで供給する方式を採用。加圧タンク不要で内圧の変動による作業中断の発生なし。長時間の連続稼働でも希釈液を安定供給。
  • 離型剤(原液)の空容器を希釈液のタンク代わりにして利用する仕組み。専用タンクを必要としないため、洗浄や補充による作業中断が無い
  • 生産環境や特殊な作業条件に合わせて機能追加可能。圧送ポンプの自動復帰回路やマシンインターロック、凍結防止ヒーターなど。

公式サイトで
装置の仕様をチェック

受注生産方式
現場には
クーラント自動希釈装置
「MX-600C」

クーラント自動希釈装置(株式会社CEM) 引用元:株式会社CEM
(https://www.kcem.co.jp/product/)

特徴
  • 希釈率を1.0~20.0%の範囲で精度±0.2%で管理。受注生産方式で求められる製品ごとに異なる濃度に設定できるため、個別の品質基準にも対応可
  • 使用量や濃度設定を記録する機能があるため、受注ごとの履歴管理可。品質管理の問い合わせにも対応しやすく、受注生産の信頼性が高まる。
  • 一つの装置で複数の異なる希釈率を同時に設定・供給可能(オプション機能) 。顧客のニーズや仕様に応じた対応ができる

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ロット生産方式
現場には
クーラント液管理システム
「Will-Fill AIO」

クーラント液管理・自動調整システム(WILL-FILL) 引用元:WILL-FILL
(https://will-fill.com/ja)

特徴
  • クーラント液のレベルや濃度、水圧、ポンプの速度など、12種類のパラメータを同時に測定・管理可。異なる製品ごとに別の条件が必要になるロット生産に適する。
  • クーラントの残量監視と補給機能により、異なるロットでも連続して作業が行われる。手動操作が少なく、生産の流れを途切れさせない。
  • 定期的にクーラント液の状態を整える機能を搭載。液体成分が均一に保つことができ、ロットごとの品質ばらつきを防げる

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