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加工中に泡立ってしまう

切削油の発泡は加工品質に悪影響を及ぼし、生産効率を低下させます。本記事では、水溶性切削油の泡立ち原因とその対策を明確にし、工場経営者が直面する問題の解決策を提供します。

目次

水溶性切削油が泡立つ
原因とは

水溶性切削油の泡立ちは、主に以下の原因が考えられます。

切削油の濃度が高い

水溶性切削油の濃度が理想値を超えると、泡立ちやすくなります。適切な濃度管理は、泡立ちを抑制する上で重要です。

希釈水の硬度が低い

水の硬度が低すぎると、水溶性切削油の界面活性剤が過剰に反応し、泡立ちを引き起こす可能性があります。

切削液の水温が低い

水温が低いと、空気との溶解度が変化し、泡立ちやすくなります。特に冬場はこの問題が顕著に現れます。

泡立つことによる影響

水溶性切削油が泡立つことでどのような影響が考えられるでしょうか。順番に見ていきましょう。

作業環境への影響

泡立ちがもたらす直接的な問題は、作業環境の劣化です。加工点の見えづらさは作業の正確性を低下させ、クーラントのオーバーフローは滑りやすい環境を作り出し、機械の周囲が汚れ、清掃にかかる時間と労力が増大します。これにより、作業者のストレスが高まり、溢れる可能性への不安が常につきまとうことになります。

生産効率への影響

泡立ちは、冷却機能の不足を招き、これが直接的に加工性の低下に繋がります。結果として、工具の摩耗が早まり加工後の製品に不良が生じることがあります。また、泡によって加工点が見えにくくなり、加工の正確性が損なわれるだけでなく、予期せぬ機械の停止リスクも高まります。

生産コストへの影響

クーラントの泡立ちは、切削油の使用量を不必要に増やし、消泡剤などの追加コストも発生させます。切削油の持ち出し量の増加は、切削油自体のコスト増加に直結し、さらに泡立ちによるトラブルに対応するための作業費も増加させます。これらの問題は製造コストの上昇につながり利益率の低下を招く可能性があります。

水溶性切削油の
泡立ちに対する対策

適切な切削油の濃度調整、希釈水の硬度の管理、そして切削液の温度を適正範囲に保つことが重要です。自動希釈装置の導入により、これらの要因を常に適切な状態に保つことが可能になります。また、泡立ちを抑制する専用の添加剤の使用も一つの方法です。

まとめ

水溶性切削油の発泡問題は、適切な知識と管理で大きく改善できます。本記事で紹介した原因と対策を実践することで、工場運営の効率化とコスト削減に繋がり高品質な製品製造へと貢献します。

関連リンク

現場の生産方式別・切削油
(クーラント)

⾃動希釈装置3選

ここでは、生産方式別に切削油(クーラント)を自動供給できる希釈装置を紹介します。自社の生産方式に合わせて適切な装置を導入し、生産性アップ・業務負担の低減・コストダウンを目指しましょう。

連続生産方式
現場には
自動希釈装置
「MAKKY-MINI 65-D」

Makky Mini 65-D(真岐興業株式会社) 引用元:真岐興業株式会社
(https://makky.co.jp/product/)

特徴
  • 希釈液をエアーポンプで供給する方式を採用。加圧タンク不要で内圧の変動による作業中断の発生なし。長時間の連続稼働でも希釈液を安定供給。
  • 離型剤(原液)の空容器を希釈液のタンク代わりにして利用する仕組み。専用タンクを必要としないため、洗浄や補充による作業中断が無い
  • 生産環境や特殊な作業条件に合わせて機能追加可能。圧送ポンプの自動復帰回路やマシンインターロック、凍結防止ヒーターなど。

公式サイトで
装置の仕様をチェック

受注生産方式
現場には
クーラント自動希釈装置
「MX-600C」

クーラント自動希釈装置(株式会社CEM) 引用元:株式会社CEM
(https://www.kcem.co.jp/product/)

特徴
  • 希釈率を1.0~20.0%の範囲で精度±0.2%で管理。受注生産方式で求められる製品ごとに異なる濃度に設定できるため、個別の品質基準にも対応可
  • 使用量や濃度設定を記録する機能があるため、受注ごとの履歴管理可。品質管理の問い合わせにも対応しやすく、受注生産の信頼性が高まる。
  • 一つの装置で複数の異なる希釈率を同時に設定・供給可能(オプション機能) 。顧客のニーズや仕様に応じた対応ができる

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ロット生産方式
現場には
クーラント液管理システム
「Will-Fill AIO」

クーラント液管理・自動調整システム(WILL-FILL) 引用元:WILL-FILL
(https://will-fill.com/ja)

特徴
  • クーラント液のレベルや濃度、水圧、ポンプの速度など、12種類のパラメータを同時に測定・管理可。異なる製品ごとに別の条件が必要になるロット生産に適する。
  • クーラントの残量監視と補給機能により、異なるロットでも連続して作業が行われる。手動操作が少なく、生産の流れを途切れさせない。
  • 定期的にクーラント液の状態を整える機能を搭載。液体成分が均一に保つことができ、ロットごとの品質ばらつきを防げる

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