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切削油にまつわるお悩み・トラブル対策集

ここでは、切削油の泡立ち、腐敗、悪臭の発生、ワークの変色、そして加工精度の不安定性など、切削油関連の課題やトラブルに対する効果的な解決策を詳細に解説します。事前にトラブルに対する対処法を把握しておくことで、製造プロセスの効率化とコスト削減の実現を目指しましょう。

目次

加工中に泡立ってしまう

水溶性切削油の泡立ちは、加工品質と生産効率に悪影響を与える問題です。原因は切削油の濃度の高さ、希釈水の低硬度、低水温などがあり、これらを適切に管理することが重要です。適正な切削油の管理と専用の添加剤の使用により、泡立ちを抑制し、生産性の向上とコスト削減に貢献することができます。

水溶性切削油が泡立つ原因と対策
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腐敗・劣化を防ぎたい

水溶性切削油の劣化は主に微生物の活動によって引き起こされ、不快な臭いやpHの低下などを引き起こします。この問題に対処するためには、新液の補充や適切な撹拌、自動希釈装置の導入が効果的です。これにより、切削油の品質を維持し、製造プロセスの安定性と最終製品の品質を向上させることが可能です。

水溶性切削油の劣化の原因と対策
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切削油が臭い・・・

切削油が放つ悪臭は、微生物の増殖や油分と汚れの蓄積によって引き起こされます。この問題に対処するため、自動希釈装置の導入による適切な切削油濃度の維持と、定期的なタンクの清掃やメンテナンスが効果的です。これらの対策により、工場の生産性と作業環境を改善し、従業員の健康を守ることができます。

切削油の臭いの原因や対処法
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ワークが変色してしまった

銅の加工時に使用される水溶性切削油は、銅との化学反応により変色することがあり、これが生産効率や製品品質に影響を与えます。切削油の適切な濃度管理を通じて銅の溶出を抑制し、変色とべたつきを防ぐために自動希釈装置の導入が有効です。この対策により、切削油の交換頻度を低減し、コスト削減と作業環境の向上が期待できます。

銅の加工による切削油の変色
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旋盤加工で精度が安定しない

旋盤加工においては、材料を削る過程で発生する熱を効果的に冷却するため、水溶性切削油が推奨されます。この切削油は、高温下でも安定した性能を保ち、加工精度の維持に必要です。また、切削油の選定と適切な管理は、生産性の向上とコスト削減に不可欠であり、定期的な品質チェックや適切な保管方法が求められます。

旋盤加工に適した切削油の選び方
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切削油を使うなら注意したいオイルミストとは?

切削油を使用する現場で発生するのが、オイルミストです。高速回転する機械に切削油が接触して空気中に飛び散った微粒子がオイルミストの正体。空気中に浮遊しているため、作業員が吸い込み呼吸器系の疾患の原因になるなどの悪影響があります。オイルミスト対策には、ミストコレクタの設置がおすすめです。メンテナンス性などを考慮して選びましょう。

切削油を使うなら注意したいオイルミスト
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切削油による手荒れについて

切削油には人体に有害な物質は含まれていません。ただし、その性質上、長時間触れていると手荒れを起こすことがあります。不水溶性切削油の場合は、皮膚の毛穴や汗腺を塞ぎ刺激となることが手荒れの主な原因です。水溶性切削油の場合は、アルカリの作用で抵抗性を失います。どちらにしても、保護クリームと手洗いが手荒れ防止のポイントです。

切削油による手荒れ
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切削油によるアレルギー反応について

切削油に含まれる成分によって、アレルギー反応が起きて皮膚に発疹やかぶれが出ることがあります。切削油を選ぶときは低アレルゲンのものを選んだり、皮膚に直接油が触れないように手袋やアームカバー、作業着でカバーするようにしましょう。作業前に保護クリームを使用すると、切削油から皮膚をカバーでき有効です。

切削油によるアレルギー反応
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切削油の劣化につながる微生物の繁殖について

切削液の劣化の原因にはさまざまなものがありますが、そのひとつとして挙げられるのが「微生物の繁殖」です。微生物が繁殖してしまった場合、切削液の性能低下や腐敗、金属部品の腐食リスクなどさまざまな影響が考えられます。微生物の繁殖を完全に防ぐことは困難ですが、しっかりと対策を行っていくことで切削液の寿命を延ばし、トラブルの発生を抑えることにつながります。

切削油の劣化につながる微生物の繁殖
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切削油の他油混入を防ぐための対策

切削油や潤滑油の利用時における他油混入の発生はさまざまな問題の引き金になる恐れがあります。これらの対策としては「混入しないための仕組みづくり」と「混入した場合の対応策」という2つの軸から検討を行う必要があります。このページでは他油混入における対策方法や緊急対応策などについて紹介していますので、ぜひチェックしてください。

切削油の他油混入を防ぐための対策
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切削油における異物混入について

切削油に異物が混入すると、切削油が劣化したり異臭が生じたりする恐れがあります。混入した異物による部品の摩耗や加工不良をの発生もあるので、異物混入経路の遮断や、異物が入らないような設備の導入で対策しましょう。普段からの点検・管理に加え、異物混入が生じたときの対応についても用意しておくことが大切です。

切削油における異物混入
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どのような加工条件で油性切削油と水溶性切削油を使い分けるのか?

切削油には「油性切削油」と「水溶性切削油」の2種類があります。それぞれの切削油に特徴や使用するメリットがありますので、その違いを知ったうえで選定する必要があります。求める加工精度はもちろんですが、使用する部材や用いる加工方法、消耗工具の寿命、環境への配慮、熱の発生などあらゆる角度から検討することが重要です。

どのような加工条件で油性切削油と水溶性切削油を使い分けるのか?
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切削油の環境問題について

切削油は金属加工に不可欠ですが、水質・土壌・大気汚染や有害物質の含有、オイルミスト発生、スラッジ蓄積など環境問題を引き起こします。これに対し、塩素フリーなどの環境対応型切削油や、使用量削減のドライ加工・MQL導入、廃油やスラッジの適正処理が進められています。法規制強化と企業の社会的責任により、切削油対策の重要性は一層高まっています。

切削油の環境問題について
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切削油の飛散防止と作業環境対策について

切削作業では、ミストや油煙が作業環境や健康に影響します。対策方法は、油剤の粘度調整やミスト抑制剤、高精製鉱物油、ノンミスト油の使用、ミストコレクターや換気設備、エンクロージャーやカバー設置などです。防護具の着用や安全教育などを組み合わせることで、作業者の健康リスクを低減し、安全で快適な作業環境を維持できます。

切削油の飛散防止と作業環境対策
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切削油によるかゆみとは?

切削加工を行う際、切削油が皮膚に付着することでかゆみや炎症が発生することがあります。かゆみが出てきた場合は、できるだけ早いタイミングで作業を中止して洗浄し、保湿クリームなどを塗布します。このように、作業中に切削油によるかゆみが発生しないよう、あらかじめ対策をしっかりと行っておくことが大切です。

切削油によるかゆみ
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水溶性切削油の危険性と安全な取扱いについて

水溶性切削油は火災リスクが低く冷却性能にも優れているため、多くの金属加工現場で採用されています。ただし、水分を多く含むことから細菌の繁殖や腐敗、悪臭の発生といった衛生面での課題も存在します。不水溶性切削油との性質の違いを正しく理解し、濃度やpH、水質を適切に管理することで、安全で清潔な加工環境を長期間維持することが可能です。

水溶性切削油の危険性と安全な取扱い
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現場の生産方式別・切削油
(クーラント)

⾃動希釈装置3選

ここでは、生産方式別に切削油(クーラント)を自動供給できる希釈装置を紹介します。自社の生産方式に合わせて適切な装置を導入し、生産性アップ・業務負担の低減・コストダウンを目指しましょう。

連続生産方式
現場には
自動希釈装置
「MAKKY-MINI 65-D」

Makky Mini 65-D(真岐興業株式会社) 引用元:真岐興業株式会社
(https://makky.co.jp/product/)

特徴
  • 希釈液をエアーポンプで供給する方式を採用。加圧タンク不要で内圧の変動による作業中断の発生なし。長時間の連続稼働でも希釈液を安定供給。
  • 離型剤(原液)の空容器を希釈液のタンク代わりにして利用する仕組み。専用タンクを必要としないため、洗浄や補充による作業中断が無い
  • 生産環境や特殊な作業条件に合わせて機能追加可能。圧送ポンプの自動復帰回路やマシンインターロック、凍結防止ヒーターなど。

公式サイトで
装置の仕様をチェック

受注生産方式
現場には
クーラント自動希釈装置
「MX-600C」

クーラント自動希釈装置(株式会社CEM) 引用元:株式会社CEM
(https://www.kcem.co.jp/product/)

特徴
  • 希釈率を1.0~20.0%の範囲で精度±0.2%で管理。受注生産方式で求められる製品ごとに異なる濃度に設定できるため、個別の品質基準にも対応可
  • 使用量や濃度設定を記録する機能があるため、受注ごとの履歴管理可。品質管理の問い合わせにも対応しやすく、受注生産の信頼性が高まる。
  • 一つの装置で複数の異なる希釈率を同時に設定・供給可能(オプション機能) 。顧客のニーズや仕様に応じた対応ができる

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ロット生産方式
現場には
クーラント液管理システム
「Will-Fill AIO」

クーラント液管理・自動調整システム(WILL-FILL) 引用元:WILL-FILL
(https://will-fill.com/ja)

特徴
  • クーラント液のレベルや濃度、水圧、ポンプの速度など、12種類のパラメータを同時に測定・管理可。異なる製品ごとに別の条件が必要になるロット生産に適する。
  • クーラントの残量監視と補給機能により、異なるロットでも連続して作業が行われる。手動操作が少なく、生産の流れを途切れさせない。
  • 定期的にクーラント液の状態を整える機能を搭載。液体成分が均一に保つことができ、ロットごとの品質ばらつきを防げる

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