切削油の濃度が上昇した場合には防錆性能が強化されます。これは一見良いことのように思えるかもしれませんが、過度に濃度が上昇することによってコストの悪化やベタつき、作業者の手荒れに繋がってしまいます。
こちらの記事では、切削油の濃度が上昇する主な原因や濃度上昇と防錆強化の関係などについてまとめました。
なぜ切削油の濃度が上昇するのだろうか、と感じる人もいるのではないでしょうか。切削油の濃度が上昇する主な原因としては、「加工する際の熱や室温による影響」や「目測・手作業による補給ミス」といったものが挙げられます。
まず考えられるのが、水分のみが蒸発しているという点です。加工を行う際に発生する熱や夏の高い気温などの影響により、タンク内の水分のみが優先的に蒸発していく状況になります。しかし油分は蒸発せずにそのまま残っているために、日々機器を稼働させるたびにだんだんと切削油の濃度が高くなっていく、ということにつながっていきます。
補給ミスにより切削油の濃度が上昇している可能性も考えられます。たとえば減った分を補給する際に、目測によって原液や高濃度のクーラントをそのまま足してしまうといった場合です。このとき、意図せずに濃度が跳ね上がってしまうケースも少なくないとされています。
切削油の濃度が上昇すると、防錆効果を強化できるといったようにメリットもあります。しかし、濃度が高すぎると逆にデメリットにもつながるため、大切なのは適切な濃度設定を行うことであるといえます。
メーカーから指定されている基準の濃度よりも少し高めに維持することにより、ワーク(加工物)や工作機械本体に発生する錆(サビ)を強力に防げます。たとえば、メーカー指定の基準濃度が3〜5%だった場合には、実際に使用する際には6〜8%に設定する、といった形です。
たとえば梅雨の時期や長期連休前など、錆が発生しやすくなる環境においては、あえて防錆を強化する目的で濃度を高めに調整するケースもあります。
上記のように、切削油の濃度を高めに設定することによるメリットもありますが、切削油の濃度は高ければ高いほど良いわけではありません。防錆効果を狙い濃度を上げすぎた場合には、油分の界面活性剤や添加物が過剰になってしまうため、逆にさまざまなトラブルを誘発してしまいます。防錆強化を狙う場合でも、メーカーが推奨している許容濃度の範囲内に収めた形で使用することが欠かせないといえます。
切削油の濃度が高すぎると、現場ではさまざまなトラブルが発生する可能性があります。
たとえば、ベタつきの発生によってワークや機械の内部、チップ(切屑)の油分がべったりと付着してしまい、後の工程の洗浄で手間がかかるといったベタつきと清掃工数の増加や、必要以上に原液を消費することによるランニングコスト(油剤消費量)の増大、粘度の上昇により気泡が消えにくくなりフィルターの目詰まりを起こすといった影響も考えられます。
さらに、原液の成分が濃くなるために皮膚への刺激が強まって作業者の手荒れにつながる、臭気が発生するといったように、健康への被害や作業環境の悪化にもつながってしまいます。
切削油の濃度管理は、非常に重要なポイントであるといえます。しかし濃度管理には手間がかかる、と悩んでいる場合におすすめなのが「自動希釈装置」の活用です。ここでは、自動希釈装置を使用することのメリットについて解説します。
自動希釈装置は新液を作成する場合、水圧や流量に合わせて原液を正確な比率で自動混合・攪拌を行います。この点から、手作業によって発生していたブレや混ぜムラを無くすことが可能になります。このように、自動希釈装置の導入によって高精度な希釈と自動補給を行えます。
補充や攪拌作業を完全に自動化できるのも、自動希釈装置を導入するメリットです。手作業を行う際には、重いドラム缶から小分け作業を行う、ペール缶での攪拌作業を行うといったようにさまざまな作業が発生していましたが、装置を導入することによって自動化が行えるために工数削減につながり、現場作業員の負担を大幅に軽減できます。
自動希釈装置を用いることで、一定の濃度で給液できるようになります。この点から、水分が蒸発して極端に濃度が上昇する、といった状況を防ぎ、さらに切削油の無駄づかいやトラブルの発生を未然に防ぐことにつながります。
切削油の濃度が上昇することで防錆を強化できる反面、さまざまなトラブルにもつながっていくため、切削油の濃度管理は非常に重要であるといえます。「濃度が安定しない」「適切な防錆力を保ちながらトラブルも防ぎたい」と悩みを抱えている製造現場では、高精度な自動希釈装置を導入することが課題の解決につながる可能性もあります。
ここでは、生産方式別に切削油(クーラント)を自動供給できる希釈装置を紹介します。自社の生産方式に合わせて適切な装置を導入し、生産性アップ・業務負担の低減・コストダウンを目指しましょう。
引用元:真岐興業株式会社
(https://makky.co.jp/product/)
引用元:株式会社CEM
(https://www.kcem.co.jp/product/)
引用元:WILL-FILL
(https://will-fill.com/ja)